ビタミンC:皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須の成分

【ビタミンCとは】

ビタミンCは、水溶性ビタミンの1種です。ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須です。また、ビタミンCは、抗酸化作用があり、生体内でビタミンEと協力して活性酸素を消去して細胞を保護していると言われています。また、心臓血管系の疾病予防効果が期待できます。健康な人がビタミンCを過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加することからビタミンCは広い摂取範囲で安全と考えられています。したがって、耐容上限量は設定されていません。ただし、腎機能障害を有する人が数gのビタミンCを摂取した条件では、腎蓚酸結石のリスクが高まることが分かっています。ビタミンCの過剰摂取による影響として最も一般的なものは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響です。

【ビタミンCが不足すると】

ビタミンCが欠乏すると、コラーゲン合成ができないので血管がもろくなり出血傾向となり、壊血病になる場合があります。壊血病の症状は、 疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などです。なお、喫煙者は非喫煙者よりもビタミンCの必要性が高く、同様のことは受動喫煙者でも認められています。該当者は、まず禁煙が基本的対応であることを認識し、同年代の推奨量以上にビタミンCを摂取することが推奨さています。

【摂取量目安】

・成人(推定平均必要量、推奨量)

心臓血管系の疾病予防効果及び有効な抗酸化作用は、血漿ビタミンC濃度が50µmol/L程度であれば期待できます。そして、血漿ビタミンC濃度を50µmol/Lに維持する成人の摂取量は、83.4mg/日であることが示されています。そこで、丸め処理を行って85mg/日が心臓血管系の疾病予防効果及び有効な抗酸化作用を示す推定平均必要量とされました。推奨量は、推定平均必要量に推奨量算定係数1.2を乗じて100mg/日とされています。参考としたデータが男女の区別なくまとめていたため、男女差は考慮されていません。成人男女で実施したビタミンCの枯渇・負荷実験において未変化体の尿中排泄は50〜60mg/日では認められず100mg/日で起こること、体内ビタミンCプールを反映する白血球ビタミンC濃度は 100mg/日で飽和することが示されています。これらのデータからも100mg/日という推奨量は妥当であると考えられています。

・高齢者(推定平均必要量、推奨量)

研究では、成人を用いた研究と高齢者を用いた研究に分けた検討も行っており、同じ血漿ビタミンC濃度に達するために必要とする摂取量は前者に比べて後者で高いことが示されています。そのため、高齢者ではそれ未満の年齢に比べて多量のビタミンCを必要とする可能性がありますが、値の決定が困難だった為、65歳以上でも65歳未満の成人と同じ量とされました。

・小児(推定平均必要量、推奨量)

成人(18〜29歳)の値を基に、体重比の0.75乗を用いて推定した体表面積比と成長因子を考慮した次式、(対象年齢区分の参照体重/18〜29歳の参照体重)0.75×(1+成長因子)を用いて計算されました。男女間で値に差異が認められた場合は、低い方の値が採用されています。これらの値を丸め処理を行い、それぞれの推定平均必要量及び推奨量とされました。

・妊婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)

妊婦の付加量に関する明確なデータはありませんが、7mg/日程度のビタミンCの付加で新生児の壊血病を防ぐことができたということから、推定平均必要量の付加量は10mg/日とされました。推奨量の付加量は、推定平均必要量の付加量に推奨量算定係数1.2を乗じると12mg/日となり、丸め処理を行って10mg/日とされました。

・授乳婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)

授乳婦の推定平均必要量の付加量は、母乳中のビタミンC濃度(50mg/L)に哺乳量
(0.78L/日)を乗じ、相対生体利用率(100%)を考慮して算定(50mg/L×0.78L/日÷1.00)すると、39mg/日となり、丸め処理を行って40mg/日とされました。推奨量の付加量は、推定平均必要量の付加量に推奨量換算係数1.2を乗じて46.8mg/日となり、丸め処理を行って45mg/日とされました。

・乳児(目安量)

0〜5か月児は、母乳中のビタミンC濃度(50mg/L)に基準哺乳量(0.78L)を乗じ、丸め処理を行って40mg/日とされました。6〜11か月児の目安量は、二つの方法による外挿値の平均値としました。具体的には、0〜5か月児の目安量及び18〜29歳の推定平均必要量それぞれから6〜11か月児の目安量算定の基準となる値を算出しました。次に、男女ごとに求めた値を平均し、男女同一の値とした後丸め処理を行いました。

参照・・厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書

【ビタミンCを多く含む食材】

・パプリカ
・アセロラ
・ブロッコリー
・みかん
・レモン
・ゆず
・グァバ
・めキャベツ
・カブの葉
・味付け海苔    など

【ビタミンCを多く含む食材ランキング:野菜・動物性食品外編】※100gあたり

1位:アセロラ(酸味種、生) 1700mg
アセロラのその他成分:たんぱく質0.7g、ナトリウム7mg、カリウム130mg、カルシウム11mg、マグネシウム10mg、リン18mg、鉄0.5mg、亜鉛0.5mg、銅0.31mg、ビタミンA31㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE2.4mg、ビタミンK0㎍、ビタミンB1 0.03mg、ビタミンB2 0.04mg、ナイアシン0.3mg、ビタミンB6 0mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸45㎍、パントテン酸0.25mg、水溶性食物繊維0.8g、不溶性食物繊維1.1g

2位:ケール青汁 1100mg
ケール青汁のその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質10.6g、ナトリウム230mg、カリウム2300mg、カルシウム1200mg、マグネシウム210mg、リン270mg、鉄2.9mg、亜鉛1.8mg、銅0.17mg、マンガン2.75mg、ヨウ素5㎍、セレン9㎍、クロム12㎍、モリブデン130㎍、ビタミンA860㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE10.5mg、ビタミンK1500㎍、ビタミンB1 0.31mg、ビタミンB2 0.80mg、ナイアシン6.0mg、ビタミンB6 0.75mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸820㎍、パントテン酸1.31mg、水溶性食物繊維12.8g、不溶性食物繊維15.2g

3位:パセリ(乾) 820mg
パセリのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質27.7g、ナトリウム880mg、カリウム3600mg、カルシウム1300mg、マグネシウム380mg、リン460mg、鉄17.5mg、亜鉛3.6mg、銅0.97mg、マンガン6.63mg、ヨウ素22㎍、セレン7㎍、クロム38㎍、モリブデン110㎍、ビタミンA2300㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE8.8mg、ビタミンK1300㎍、ビタミンB1 0.89mg、ビタミンB2 2.02mg、ナイアシン11.7mg、ビタミンB6 1.47mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸1400㎍、パントテン酸1.68mg、ビオチン23.5㎍

4位:せん茶 (緑茶類 茶) 260.0mg
せん茶のその他成分:たんぱく質24.5g、ナトリウム3mg、カリウム2200mg、カルシウム450mg、マグネシウム200mg、リン290mg、鉄20.0mg、亜鉛3.2mg、銅1.30mg、マンガン55.00mg、ヨウ素4㎍、セレン3㎍、クロム8㎍、モリブデン1㎍、ビタミンA1100㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE78.6mg、ビタミンK1400㎍、ビタミンB1 0.36mg、ビタミンB2 1.43mg、ナイアシン4.1mg、ビタミンB6 0.46mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸1300㎍、パントテン酸3.10mg、ビオチン51.6㎍、、水溶性食物繊維3.0g、不溶性食物繊維43.5g

5位:あまのり(焼きのり) 210mg
あまのりのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質31.2g、ナトリウム530mg、カリウム2400mg、カルシウム280mg、マグネシウム300mg、リン700mg、鉄11.4mg、亜鉛3.6mg、銅0.55mg、マンガン3.72mg、ヨウ素2100㎍、セレン9㎍、クロム6㎍、モリブデン220㎍、ビタミンA2300㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE4.6mg、ビタミンK390㎍、ビタミンB1 0.69mg、ビタミンB2 2.33mg、ナイアシン11.7mg、ビタミンB6 0.59mg、ビタミンB12 57.6㎍、葉酸1900㎍、パントテン酸1.18mg、ビオチン46.9㎍

6位:トマピー(果実、生) 200mg
トマピーのその他成分:たんぱく質1.0g、ナトリウム0mg、カリウム210mg、カルシウム8mg、マグネシウム8mg、リン29mg、鉄0.4mg、亜鉛0.3mg、銅0.07mg、マンガン0.12mg、ビタミンA160㎍、ビタミンE4.5mg、ビタミンK4㎍、ビタミンB1 0.05mg、ビタミンB2 0.09mg、ナイアシン1.2mg、葉酸45㎍、パントテン酸0.33mg、ビタミンB6 0.56mg、水溶性食物繊維0.6g、不溶性食物繊維1.0g

7位:赤ピーマン(果実、油いため) 180mg
赤ピーマンのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質0.8g、ナトリウム0mg、カリウム220mg、カルシウム7mg、マグネシウム10mg、リン24mg、鉄0.7mg、亜鉛0.2mg、銅0.03mg、マンガン0.14mg、ビタミンA92㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE4.8mg、ビタミンK7㎍、ビタミンB1 0.06mg、ビタミンB2 0.16mg、ナイアシン1.2mg、ビタミンB6 0.39mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸71㎍、パントテン酸0.29mg、ビオチン0㎍、水溶性食物繊維0.5g、不溶性食物繊維1.1g

8位:めキャベツ(結球葉、生) 160mg
めキャベツのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質3.9g、ナトリウム5mg、カリウム610mg、カルシウム37mg、マグネシウム25mg、リン73mg、鉄1.0mg、亜鉛0.6mg、銅0.07mg、マンガン0.29mg、ビタミンA59㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE0.6mg、ビタミンK150㎍、ビタミンB1 0.19mg、ビタミンB2 0.23mg、ナイアシン0.9mg、ビタミンB6 0.27mg、パントテン酸0.76mg、葉酸240μg、水溶性食物繊維1.4g、不溶性食物繊維4.1g

同率8位:ゆず(果皮、生) 160mg
ゆず果皮のその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質0.9g、ナトリウム5mg、カリウム140mg、カルシウ41mg、マグネシウム15mg、リン9mg、鉄0.3mg、亜鉛0.1mg、銅0.02mg、マンガン0.12mg、モリブデン1㎍、ビタミンA20㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE4.0mg、ビタミンK0㎍、ビタミンB1 0.07mg、ビタミンB2 0.10mg、ナイアシン0.5mg、ビタミンB6 0.09mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸21㎍、パントテン酸0.89mg、ビオチン3.6㎍、水溶性食物繊維3.3g、不溶性食物繊維3.6g

10位:ブロッコリー(花序 焼き) 150mg
ブロッコリーのその他成分:たんぱく質9.9g、ナトリウム13mg、カリウム820mg、カルシウム90mg、マグネシウム53mg、リン200mg、鉄2.3mg、亜鉛1.5mg、銅0.17mg、マンガン0.50mg、セレン4㎍、モリブデン21㎍、ビタミンA140㎍、ビタミンD0㎍、ビタミンE6.9mg、ビタミンK380㎍、ビタミンB1 0.27mg、ビタミンB2 0.40mg、ナイアシン1.7mg、ビタミンB6 0.67mg、ビタミンB12 0㎍、葉酸450㎍、パントテン酸1.99mg、ビオチン22.7㎍

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