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免役を適度に保つ|美活

免役保ち方

免疫とは、私たちの体内に外部から侵入してくるウイルスや細菌から身体を守る防御システムのことです。このため免疫力が低下すると、風邪をひきやすくなったり、感染症にかかりやすくなります。

また免疫力が低下すると、体内にできたがん細胞が増殖しやすくなるため、がんになりやすくなります。さらに、免疫系は抗体のほか、顆粒球やリンパ球などさまざまな種類の細胞で構成されており、どれかが減少すると免疫不全症となっていきます。

たとえばHIV感染症・エイズは正式名称を「後天性免疫不全症候群」といい、ヘルパーT細胞が減少することで免疫機能が低下して、さまざまな感染症が現れます。

免疫力は高ければ良いというものではありません。免疫系が高まりすぎた状態を炎症といい、過剰な炎症は病気につながります。

例えば、関節リウマチなどの膠原病は自己免疫疾患と呼ばれ、免疫反応が高まりすぎたために起こります。アレルギー疾患の花粉症や喘息も、過剰に免疫がはたらく過敏反応によって起きる症状です。

つまり、免疫力は低すぎても高すぎても良くなく、適度に保たれている状態が病気になりにくいのです。
今回のコロナ禍と免疫の関係を考える際に、前提として、免疫系はストレスに弱いということが挙げられます。

コロナ禍によって、経済的に厳しい状況に追い込まれたり、働いている方は勤務形態が変わったり、学生は学校に通えなかったりと、多くの方にとって精神的ストレスの大きい状況が続いていると思います。

また身体面では、「コロナ太り」という言葉ができたように、外出自粛やスポーツクラブの一時閉鎖などにより、運動不足になった方が多いのではないでしょうか。運動不足は体力の低下を招き、肥満や生活習慣病の原因になります。

肥満は代謝異常を伴って発症し免疫力低下の要因になりますので、適度な運動など生活習慣の改善が求められます。

感染症を恐れるあまり外に出ないという考え方もありますが、運動不足から免疫力が低下すると感染症にかかりやすくなってしまうという悪循環に陥りかねません。

またコロナ禍が長期化する中で、肥満が進んだり、肥満による高血圧など生活習慣病が発生しやすくなっています。生活習慣病を予防するためには、感染に気をつけつつ、適度な運動が必要です。

私も外出自粛時に太ってしまいましたが、再びスポーツクラブに通うようになって体重が元に戻るという経験をしました。

現在も、感染に万全の対策をしつつ、健康のためにスポーツクラブに通っています。

運動習慣が適度にある人を対象として身体活動の量・強度をみたもので、このグラフのカーブは「Jカーブ」と呼ばれます。適度な運動をしている人は、代謝が良く免疫力が高いことから感染のリスクが低いことを示しています。

一方、運動習慣がない人や運動不足の人は肥満や生活習慣病になりやすく、代謝が悪いため免疫力も低下し、感染リスクもあります。

さらに、激しい運動をしている人はストレスにより免疫機能が低下し感染のリスクが上がってしまいます。

一般にアスリートや毎日何時間もスポーツをする人は体が丈夫で免疫力も高いと思われがちですが、このJカーブを見ると必ずしもそうではないということがわかります。

一般の人が毎日スポーツクラブに通うくらいの運動では、感染リスクが高まることはありません。

 

 

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