ビタミンA:レバーやウナギにたっぷり!視力を保つ成分

【ビタミンAとは】

ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種です。主成分はレチノイドというものでレチノール(アルコール)、レチナール (アルデヒド)、レチノイン酸(カルボン酸)に分類されます。レチノールとレチナールは、網膜細胞の保護作用や視細胞における光刺激反応に重要な物質です。欠乏すると乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあります。最近ではレチノールが上皮細胞で発癌物質の効果を軽減するといわれています。ビタミン A は肝臓に大量に貯えられており、ビタミンAの摂取が不足していても、肝臓のビタミンA貯蔵量が20µg/g以下に低下するまで血液中濃度低下は見られません。

【ビタミンAが不足すると】

ビタミンAは上記の通り網膜細胞の保護作用や視細胞における光刺激反応に重要な物質です。不足すると乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では夜盲症を発症することもあります。その他、成長阻害、骨及び神経系の発達抑制も見られ、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなります。

【摂取目安量】

・小児(推定平均必要量、推奨量)

これまで健康な小児で推定平均必要量の推定に用いることができるデータは報告されていません。仮に単純に成人の推定平均必要量の参照値である9.3µgRAE/kg 体重/日を体重当たりの式で外挿した場合には、1〜5歳の小児の推定平均必要量は150〜200µgRAE/日と見積もられることになります。しかし、この摂取レベルでは、血漿レチノール濃度が20µg/100mL以下の小児が見られ、角膜乾燥症の発症リスクが上昇することが発展途上国では報告されています。そのことから、1〜5歳の小児の場合は200µgRAE/日以上の推奨量にする必要があります。1〜5歳の推定平均必要量は、18.7µg/kg 体重/日×参照体重×(1+成長因子)の式で求められる。推奨量は、小児についても個人間の変動係数を20%と見積もり 、推定平均必要量に推奨量算定係数1.4を乗じた値とされました。

・成人(推定平均必要量、推奨量)

推定平均必要量の参照値である9.3µgRAE/kg体重/日と参照体重から概算し、18歳以上の成人男性のビタミンAの推定平均必要量は600〜650µgRAE/日、18歳以上の成人女性は450〜500µgRAE/日とされています。推奨量は、個人間の変動係数を20%と見積もり、推定平均必要量に推奨量算定係数1.4を乗じ、成人男性は、850〜900µgRAE/日(≒600〜650×1.4)、成人女性は、650〜700µgRAE/日(≒450〜500×1.4)とされています。

・高齢者(推定平均必要量、推奨量)

成人と同様に、推定平均必要量の参照値である9.3µgRAE/kg体重/日と参照体重から概算し、65歳以上の高齢男性のビタミンAの推定平均必要量は550〜600µgRAE/日、65歳以上の高齢女性は450〜500µgRAE/日としています。推奨量は、個人間の変動係数を20%と見積もり 、推定平均必要量に推奨量算定係数1.4を乗じ、成人男性は、800〜850µgRAE/日(≒550〜600×1.4)、成人女性は、650〜700µgRAE/日(≒450〜500×1.4)としています。

・妊婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)

ビタミンAは体内で合成できないが、胎児の発達にとって必須の因子であり、胎盤を経由して母体から胎児に供給されています。したがって、初期及び中期における付加量を0(ゼロ)とし、後期における推定平均必要量の付加量は55.1µgRAE/日を丸め処理を行った60µgRAE/日としました。後期における推奨量の付加量は個人間の変動係数を20%と見積もり、推定平均必要量の付加量に推奨量算定係数1.4を乗じると77.1µgRAE/日となるため、丸め処理を行って80µgRAE/日とされました。

・授乳婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)

授乳婦の場合には、母乳中に分泌される量(320µgRAE/日)を付加することとし、丸め処理を行って300µgRAE/日を推定平均必要量の付加量としました。推奨量の付加量は、個人間の変動係数を20%と見積もり、推定平均必要量の付加量に推奨量算定係数1.4を乗じると449µgRAE/日となるため、丸め処理を行って450µgRAE/日としました。

 

参照・・厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書

【ビタミンAを多く含む食材】

・豚レバー
・鳥レバー
・牛レバー
・アユ
・あん肝
・ウナギかば焼き
・ホタルイカ
・しらす干し
・しそ
・モロヘイヤ     など

【ビタミンAを多く含む食材ランキング:野菜・動物性食品外編】※100gあたり

1位:とうがらし(乾 果実)1500㎍
とうがらしのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質10.8g、カリウム2800mg、カルシウム74mg、マグネシウム190mg、リン260mg、鉄6.8mg、亜鉛1.5mg、ビタミンB2 1.40mg、ナイアシン14mg、ビタミンB6 3.81mg、パントテン酸3.61mg、水溶性食物繊維5.4g、不溶性食物繊維41.0g

2位:にんじん(根 皮むき 油いため)1000㎍
にんじんのその他成分:ナトリウム34mg、カリウム270mg、カルシウム26mg、マグネシウム9mg、リン25mg、ビタミンK18㎍、葉酸23㎍、ビタミンC6mg、水溶性食物繊維0.6g、不溶性1.8g

3位:しそ(葉 生)880㎍
しそのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質3.1g、カリウム500mg、カルシウム230mg、マグネシウム70mg、リン70mg、鉄1.7mg、ヨウ素6㎍、クロム2㎍、モリブデン30㎍、ビタミンK690㎍、葉酸110㎍、ビオチン5.1㎍、ビタミンC26mg、水溶性食物繊維0.8g、不溶性食物繊維6.5g

4位:モロヘイヤ(葉茎 生)840㎍
モロヘイヤのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質3.6g、カリウム530mg、カルシウム260mg、マグネシウム46mg、リン110mg、鉄1.0mg、ヨウ素4㎍、クロム2㎍、モリブデン15㎍、ビタミンE7.0mg、ビタミンK640㎍、葉酸250㎍、ビオチン13.6㎍、ビタミンC65mg、水溶性食物繊維1.3g、不溶性食物繊維4.6g

5位:ほうれん草(油いため)630㎍
ほうれん草その他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質3.0ナトリウム13mg、カリウム530mg、カルシウム88mg、マグネシウム52mg、リン54mg、鉄1.2mg、ビタミンE7.8mg、ビタミンK510㎍、葉酸140㎍、ビタミンC21mg、水溶性食物繊維0.8g、不溶性食物繊維3.8g

6位:パセリ(葉 生)620㎍
パセリのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質3.1g、ナトリウム9mg、カリウム1000mg、カルシウム290mg、マグネシウム42mg、リン61mg、鉄7.5mg、ヨウ素7㎍、セレン3㎍、クロム4㎍、モリブデン39㎍、ビタミンE4.2mg、ビタミンK850㎍、葉酸220㎍、ビオチン4.1㎍、ビタミンC120mg、水溶性食物繊維0.6g、不溶性食物繊維6.2g

7位:よめな(葉 生)620㎍
よめなのその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質2.7g、ナトリウム2mg、カリウム800mg、カルシウム110mg、マグネシウム42mg、リン89mg、鉄3.7mg、ビタミンE4.2mg、ナイアシン3.2mg、ビタミンK440㎍、葉酸170㎍、ビタミンC42mg、水溶性食物繊維1.3g、不溶性食物繊維6.5g

8位:バジル(葉 生)520㎍
バジルその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質1.2g、ナトリウム1mg、カリウム420mg、カルシウム240mg、マグネシウム69mg、リン41mg、鉄1.5mg、マンガン1.91mg、ビタミンE3.9mg、ナイアシン0.6mg、ビタミンK440㎍、葉酸69㎍、ビタミンC16mg、水溶性食物繊維0.9g、不溶性食物繊維3.1g

9位よもぎ(葉 ゆで)500㎍
よもぎその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質3.9g、ナトリウム3mg、カリウム250mg、カルシウム140mg、マグネシウム24mg、リン88mg、鉄3.0mg、ビタミンE4.3mg、ナイアシン0.5mg、ビタミンK380㎍、葉酸51㎍、ビタミンC2mg、水溶性食物繊維0.9g、不溶性食物繊維6.9g

10位:西洋かぼちゃ(実 焼き)450㎍
西洋かぼちゃその他成分:アミノ酸組成によるたんぱく質1.5g、ナトリウム0mg、カリウム570mg、カルシウム19mg、マグネシウム31mg、リン55g、鉄0.6mg、ビタミンE8.8mg、ナイアシン2.1mg、ビタミンK0㎍、葉酸58㎍、ビタミンC44mg、水溶性食物繊維1.3g、不溶性食物繊維3.9g

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